疾病の予防

 動物の健康を保つためには予防が第一です。
 それには、良質の食餌と飲み水、適度の運動、十分な睡眠、心安らぐスキンシップなどの飼育環境を、心身両面で整え、過度のストレスを避けてあげることが、最も基本的かつ大切なことです。
 これだけで、自然治癒力は高まり、体の恒常性(ホメオスターシス)や免疫力が常に良い状態に保たれ、容易には病気にならなくなります。
 またこのような下地があってこそ、ワクチンなどのより積極的な予防手段も活きてくるのです。


自然治癒力

 平生は心身のバランスを維持して健康を保ち、いざという時には速やかに治癒するように、常に働いてくれている内なる自然の力、それが自然治癒力です。

 自然治癒力は「恒常性維持機能」「自己再生機能」と「自己防衛機能(免疫力)」という、三つの働きを併せ持った機能です。そしてこれは、主として、脳・自律神経系と内分泌系と免疫系の三位一体の働きによって支えられています。

 傷病の治癒には適切な治療が必要ですが、いかに優秀な療法と言えども、治癒過程における自然治癒力の如何によって、その効果は大きく左右されます。
 つまり、治療は傷病治癒のきっかけとして働いてくれるものであり、最後にものを言うのは、この自然治癒力なのです。いざという時の自然治癒力のありようで結果が決まると言えるのです。

 当院では、本来の自然治癒力を自然に無理なく引き出せるような診療を心掛けています。


健康・病気・治療

 健康とは「心と身体と環境とのつながりの中で、相互のバランスと全体的な秩序が維持され、心身が健全な状態である」と定義できます。要するに、生命力が高まり、心身のバランスが保たれている状態ということです。

 病気とは、生命力が低下して、心身のバランスが崩れてしまい、もはやその場の自然治癒力のみでは体の恒常性を保てなくなってしまっている状態です。
 これは過度なストレッサー(内外部刺激)が加わり続けた結果、それまで自律神経系と内分泌系の秩序を維持してくれていた中枢、すなわち「視床下部-脳下垂体」が疲弊してしまい、自律神経系と内分泌系と免疫系のバランスが崩れ、終に心身の不調を来たしてしまった状態と言えます。

 そして治療の目的は、自然治癒力の働きを後押しすることだと言えます。
 つまり、治療によって根本原因を取り除いたり、自律神経のバランスを調整したり、生命エネルギーの滞りや片寄りを解消したりすることで、本来の自然治癒力が十分に働けるような「場」を整え、正常なバランスと秩序を一刻も早く取り戻せるように働きかけるのです。